日経ビジネスオンラインの連載「河合薫の新・リーダー術 上司と部下の力学」から、2017年12月26日に配信された「今年もコメント、全部読ませていただきました — 2018年、まずしっかり目と目を合わせよう」(http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/200475/122500137/)について書きたい。河合は健康社会学者と自己紹介しているようだが、活動の詳細をあまり知らない。
以前にも書いたが、この連載はビジネス記事のような題名だが、河合がかなり強い調子で、ある意味「言いたい放題」を書いている。彼女なりの計算があって書いているのかもしれないが、「毒を吐いている」感じがしなくもない。そのような記事に対するコメントなので、悪意のあるコメントがあるだろうということは容易に想像がつく。ブログを書いている人の中には、コメントをいっさい読まないという人もいる。ネガティブなコメントは精神衛生上よくないからだろう。ところが河合はすべてのコメントを読んでいると公言する。
昨年末に「みなさんのコメントはちゃんと読んでます」と書いたら、「そんなこと書いたら調子にのってひどいこと書く人がいますよ」と温かい警告をしてくださる方々が何人もいらっしゃいました。とてもうれしかったです。そうやって気遣ってくれることが……。
今年のコメントの特徴は「目を背けたくなるコメントが多かった」ことだという。
それは私に関するコメントというより、私が取り上げた事象に関するコメントで「なんでこんなに苛立っているのだろう?」「なんでこんなに安全地帯から石を投げるのだろう?」と、息苦しくなるものが確実に増えた。「恐い」と思ったし、「ここに書いてスッキリしてくれるなら、それでいい」とまで思うようになった。
彼女が感じるのは社会に蔓延する「不寛容」だ。「自分より優遇される人への不満、弱者や少数派への排除や断絶を感じさせる“正義”の主張」として表現される「不寛容」なのだ。
だが、そのような不寛容さが、さまざまな場面で実際に人に接すると感じられないという。
みな優しいし、みな人を思いやる温かい気持ちをもっていて、異なる価値観や意見が雪解けする。
彼女は次のように結論している。
「不寛容」は社会に宿るのであって、「個人」に宿っているわけではないことを身をもって痛感させられたのが、2017年だったのである。
良い言葉だと思うが、ではそれをどのようにして防ぐのかが問題となる。長くなるので、続きは明日としたい。
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